読了書籍記事一覧

自分が読んだ書籍や未読なものの購入済みの書籍の紹介。

【書評】『日本史上最高の英雄 大久保利通』:なぜ現代の日本に「嫌われる勇気を持った政治家」がいないのか?

現代の日本政治や行政に対して、こんな虚しさを覚えたことはないでしょうか。 「誰も傷つけない、効果も怪しいバラマキや事業ばかりが優先される」 「減税と言っていた政治家が、風向きが変わるとすぐ『給付金』に日和る」 「現場のプロの仕事よりも、上司

【書評】短期的利潤追求を超えて「永続経営」を実現する視座――政治と経済をつなげて読み解く『DIMEの力』

書名:『なぜこれを知らないと日本の未来が見抜けないのか 政治と経済をつなげて読み解くDIMEの力』 著者: 江崎道朗 出版社: KADOKAWA(2023年刊行) はじめに:欧米型・短期思考の経営から「永続的な商い」へ 「四半期ごとの決算数

『歴史から観る中国の正体』宮脇淳子著|僕たちが信じ込まされてきた「中国4000年」の罠と、日本人が知るべき解毒剤

「中国には4000年を超える連続した歴史と伝統がある」 「古代の中国人は徳にあふれ、洗練された文明人だった」 私たちが学校の授業や漢文、歴史ドラマなどを通してなんとなく抱いているこの「中国観」。もしこれが、日本人が都合良く美化し、そして近代

【書評】『かわいそうな歴史の国の中国人』に学ぶ、「中国4000年」という日本人の致命的な誤解

「中国4000年の歴史」というフレーズ、誰もが一度は耳にしたことがありますよね。 なんとなく私たちは、「中国という一つの国が、4000年前からずっと途切れずに続いてきたのだろう」とイメージしてしまいがちです。しかし、東洋史・モンゴル史の専門

【書評】「侵略か、自衛か」の二元論を打ち破る。地政学で読み解く『満洲事変 「侵略」論を超えて世界的視野から考える』

私たちが学校の歴史教育やメディアを通じて教わってきた「満洲事変」のイメージは、どのようなものでしょうか。「一部の好戦的な関東軍が暴走し、平和な中国を一方的に侵略して、破滅的な15年戦争への扉を開いた暗黒の歴史」——こうした、いわゆる東京裁判

【書評】歴史の「失敗学」に学ぶ。なぜアメリカは大戦に勝って平和に負けたのか?『ウェデマイヤー回顧録』

歴史を学ぶ最大の意義は、過去の事実を暗記することではなく、「過去の失敗の構造を読み解き、現在や未来への教訓を引き出すこと」にあります。 国家の意思決定は、どこで致命的な見誤りをするのか。組織はいかにして「不都合な真実」を黙殺するのか。 今回

【書評】情報戦はすでに負けていた。孤高の日本人ジャーナリストが暴く「ナラティブ」の正体『シナ大陸の真相』

「フェイクニュース」や「認知戦(Cognitive Warfare)」という言葉が飛び交う現代。しかし、情報空間をハックして国際世論を操る「影響工作」の恐ろしさを、日本人はすでに80年以上前に骨の髄まで味わわされていた事実をご存知でしょうか

【書評】アメリカの世論はいかにして「ハック」されたのか?現役外交官が命懸けで告発した認知戦の記録『暗黒大陸中国の真実』

「フェイクニュース」や、他国の世論を誘導して社会を分断する「認知戦(Cognitive Warfare)」という言葉が、現代の安全保障における最大のテーマとなっています。しかし、一国の巨大な世論が、巧みなプロパガンダによって完全に洗脳され、

【書評】国際社会の「偽善」と戦ったアメリカ人。満洲建国の真実を説く『満洲国建国の正当性を弁護する』

「満洲国は日本の侵略によって作られた傀儡国家である」——現在でも広く信じられているこの歴史的ナラティブに対し、建国当時、真っ向から異を唱え、その正当性を世界に訴え続けた一人のアメリカ人がいました。 今回ご紹介する『満洲国建国の正当性を弁護す

【書評】『信玄の戦争: 戦略論「孫子」の功罪』——海上智明が暴く、最強の男を破滅させた「時間の罠」

戦国時代最強の騎馬軍団を率い、織田信長や徳川家康からも恐れられた男・武田信玄。彼の代名詞といえば、軍旗に刻まれた「風林火山」ですよね。 しかし、今回ご紹介する海上智明先生の著書『信玄の戦争: 戦略論「孫子」の功罪』は、私たちが知る「無敵の信

ブックレビュー:『お役所仕事の大東亜戦争』倉山満 著

ブックレビュー:『お役所仕事の大東亜戦争』倉山満 著 「あの戦争は、日本がアジアを解放するために戦った聖戦だった」 「いや、日本が一方的に仕掛けた侵略戦争だ」 歴史の議論になると、いつもこの極端な二項対立で行き詰まります。右を向けば熱い愛国

【幻想崩壊】円仁が目撃した「狂気の唐王朝」〜武宗の暴政が暴く古代中国のリアル〜

シルクロードの終着点、国際色豊かな大都市・長安。 私たちが「唐王朝」と聞いて思い浮かべるのは、李白や杜甫が詩を詠み、華やかな宮廷文化が咲き誇るロマンチックな古代中国の姿かもしれません。 しかし、歴史の事実は残酷です。 9世紀、日本の僧侶・円

【書評】『日本はなぜ開戦に踏み切ったか』に学ぶ、日本型組織が陥る「無責任な決断」の罠

今回は、私たちが歴史から学ぶべき最も冷徹な教訓、そして現代のビジネスや組織運営にも直結する「決定的な失敗の本質」を描いた一冊をご紹介します。 歴史学者の森山優氏による著書『日本はなぜ開戦に踏み切ったか――「両論併記」と「非決定」』(新潮選書

【書評】メディアの「極右」レッテルにだまされるな!『世界の右翼 欧州保守政党でわかる国際情勢』が明かす欧州のリアル

現代の国際ニュースを見ていると、「欧州で極右政党が躍進」「排外主義の嵐」といった刺激的な見出しが目につきます。私たちはそれを見て、「ヨーロッパがまた昔のファシズム(独裁思想)に逆戻りしているのだろうか」と不安になりがちです。 しかし、本当に

【書評】『経済学者たちの日米開戦』:データが「勝てない」と告げたとき、組織はどう動くのか

今回は、昭和史の大きな謎の一つに迫った傑作選書、牧野邦昭著『経済学者たちの日米開戦:秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』をご紹介します。 「日本はなぜ、勝てる見込みのない戦争に突き進んでしまったのか」 この問いに対して、「まともなデータ分析を

【書評】倉山満『秀吉再考』から読み解く「真の天才」豊臣秀吉の実像

私たちが歴史小説や大河ドラマで親しんできた戦国時代の常識は、本当の歴史の姿なのでしょうか。倉山満氏の『秀吉再考』は、「人たらしの英雄・秀吉」と「天才革命児・信長」という固定観念を真っ向から打ち破ります。 信長の実像に関しては、同著者の「大間

100年の愚行と遅すぎた正論――マクマリーとマッカーサーの警告に見るアメリカの呪縛

アメリカの外交史を振り返ると、常に一つの致命的な悪癖が浮かび上がる。それは「現場のリアリズム」を無視し、遠く離れたワシントンの「イデオロギー(建前や道徳)」で世界を裁き、破滅的な結果を招くという歴史の繰り返しです。 その最大の被害者となった

【書評】日本史から見つめ直す「被害者」の真実と、西欧の先進性

近年、アニメや漫画などのエンターテインメント領域にまで、欧米から「黒人差別への配慮」や「歴史的被害者への贖罪」を求めるポリティカル・コレクトネスの波が押し寄せている。もちろん過去の奴隷制が人道に対する罪であることは大前提であり否定するもので

購入・読了書籍(6月-7月)

前回の読了書籍の紹介の文頭も、大雨被害について言及していましたが、今回も西日本を中心とした大雨の影響で被害を受けられている方、心よりお見舞い申し上げます。 さて、6月から7月中旬にかけて購入した書籍(途中・未読了多し)を紹介させていただきま

日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追求するアメリカ

[著者] 江崎道朗 出版社 KKベストセラーズ 2017/11/25 先日、近所の書店で江崎先生の書籍を探していたところ、書店員より「最近、同じ著者の書籍「日本は誰と戦ったのか」を探していた人が複数名いらっしゃったのですが、何かで取り上げら