秀吉はなぜキリスト教(カトリック)を禁じたのか?〜コエリョへの質問状と「日本人奴隷」の流出〜

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豊臣秀吉が行った「伴天連(バテレン)追放令」。 歴史の授業では「秀吉がキリスト教を弾圧した出来事」として習いますが、実はその裏には、当時の日本が直面していた国家存亡の危機と、残酷な「日本人奴隷の海外流出」という知られざる事実が隠されていました。

今回は、秀吉がイエズス会日本準管区長ガスパル・コエリョに突きつけた「質問状」を紐解きながら、大航海時代の西洋列強の脅威から日本がいかにして植民地化を免れたのか、その実態に迫ります。

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秀吉を激怒させた長崎の実態

1587年、九州平定を終えた秀吉は、キリシタン大名が支配する長崎の地で信じがたい光景を目にします。 そこでは、神社仏閣が破壊され、あろうことか日本人が奴隷として南蛮(ポルトガルやスペイン)の商人たちに買い取られ、海外へ連れ去られていたのです。

さらに、イエズス会の責任者であるガスパル・コエリョは、秀吉に対して大砲を積んだ巨大な軍艦(フスタ船)を誇示し、「必要なら我々が軍船を出して協力する」と持ちかけました。 これを見た秀吉は、彼らの背後にある「軍事力と宗教を利用した植民地化の意図」を鋭く見抜きます。

秀吉が突きつけた「コエリョへの質問状」

事態を重く見た秀吉は、その日の夜のうちにコエリョに対して3ヵ条(4か条とも解釈される)からなる厳しい「質問状(覚)」を突きつけました。その核心部分は以下の通りです。

  1. なぜ、日本の人々を強制的にキリシタンにしようとするのか。

  2. なぜ、日本の神仏を破壊し、神社仏閣を焼き払うのか。

  3. なぜ、ポルトガル人は多数の日本人を買って、奴隷として海外へ連れ去るのか。

特に3つ目の「日本人奴隷の売買」について、秀吉は激しい怒りを露わにしました。秀吉は直ちに「インドや遠国に売られた日本人を連れ戻せ」と厳命しています。ほかにも農業に欠かせない牛や馬をなぜ食べるのかというのもありました。

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隠蔽されてきた悲劇「日本人奴隷の海外流出」

戦国時代の日本において、日本人奴隷の海外流出は深刻な問題でした。 戦乱で発生した捕虜や、人さらいに遭った人々が、火薬や武器などの硝石と引き換えに、南蛮商人に二束三文で売られていたのです。

彼らはマカオやインドのゴア、当時スペインの巨大なアジア拠点となっていたフィリピン(マニラ)、さらには遠くヨーロッパにまで売り飛ばされ、過酷な労働を強いられました。 秀吉の伴天連追放令は、単なる宗教弾圧ではなく、この「自国民の人身売買を国家権力として断固阻止する」という強烈な人権宣言にして国防の決断だったのです。

「伴天連追放令」と植民地化の阻止

質問状の翌日、秀吉は正式に「伴天連追放令」を発布します。 しかし、これは即座に貿易を打ち切る「鎖国」ではありませんでした。秀吉は「宣教師の退去は命じるが、商売目的の南蛮船の来航は引き続き許可する」と、宗教と貿易を分離する極めて現実的な対応をとりました。

当時、スペインやポルトガルは世界中で植民地を拡大していました。しかし、日本が彼らの植民地にならなかったのは、以下の要因が重なっていたからです。

  • 秀吉が宣教師の背後にある「侵略の意図」にいち早く気付き、追放令を出したこと。

  • 当時の日本が、戦国時代を経て世界最大規模の「鉄砲(火縄銃)保有国」であり、西洋列強も手出しができない強大な軍事国家であったこと。

秀吉のこの卓越したインテリジェンスと果断な行動がなければ、日本も他のアジア諸国と同様に、西洋の植民地にされていたかもしれません。

また日本人奴隷問題というものが現代にも継続していたかもしれません。

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まとめ:歴史の裏側にある「地政学」

豊臣秀吉の伴天連追放令は、宗教的な不寛容さから生まれたものではありません。 「自国の人々が奴隷として売られるのを防ぎ、西洋列強の軍事侵略から日本を守る」という、極めて真っ当で高度な地政学的判断でした。

私たちが学ぶ歴史の裏側には、常にこうした生々しい国際政治のダイナミズムが隠されています。

参考文献・もっと深く知りたい方へ

本記事のテーマをより深く理解するために、以下の書籍を強くおすすめします。

  • 『大航海時代にわが国が西洋の植民地にならなかったのはなぜか』(しばやん 著) 西洋列強の世界侵略の歴史と、宣教師の暗躍、そして当時の日本がいかにしてその危機を乗り越えたのかを、分かりやすく俯瞰できる一冊です。「宗教と植民地化」のセット構造がよく分かります。

  • 『スペイン古文書を通じて見たる日本とフィリピン』(奈良静馬 著) 当時のスペイン古文書などの一次史料を紐解き、日本とスペイン(フィリピン拠点)間の緊迫した外交戦や、日本人奴隷の実態について客観的かつ詳細に記された貴重な研究書です。

追伸:今般、過去の黒人奴隷や差別に対する反動から行き過ぎた優遇措置というものが欧米では取られており、日本にも輸入させようとしております。日本は先進国で唯一「奴隷制度」を持たない国で、日本は共犯でははりません、上記の経緯から被害者であります。ただ違ったのは、秀吉という為政者がいち早く気が付き対応したこと。秀吉が中世を終わらせ中央集権化をすすめたことが現代の結果につながっているものと思われます。

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